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僕は子供の頃はね、凄く人見知りだったんだよ。だから誰かに話しかけられても、ちゃんと会話できなかったんだ。そうするとね、次第に誰も僕の周りには近寄らなくなったんだよ。幸いイジメとかは無かったけど、ちょっと寂しかったな。

そんな僕に話しかけてくれた子がいたんだよ。何してるのってね。最初はびっくりしたよ。もちろん僕はまともに話すことなんて出来ずに、うつむくばかりだったよ。でも、その子は何度でも話しかけてくれたんだ。それが嬉しくてね。だんだん僕もその子と話すようになったんだ。

その子の名前?けんじだよ。けんじ君は僕の唯一の友達だったよ。休み時間はいつもけんじ君と話していたね。うちにも何回か泊まりに来てくれたんだよ。本当に楽しかったな。僕が学校を卒業して働いても、けんじ君は一緒にいてくれたんだよ。だからね、僕が会社の上司を殴ったときもけんじ君は傍にいてくれたんだよ。僕は悪くないってずっと言ってくれたんだ。けんじ君は僕の唯一の友達だよ。





私がタバコを吸い終わると同時に、その話は終わりました。おじさんは嬉しそうに喫煙室から出て行きました。私は軽く会釈をして二本目に火を点けました。
「またあいつわけのわかんねえこと言ってんな」
対面に座っていたおじいさんがつまらなそうな顔をしてぼやきました。
「この前はたろう君だっけ?その前はよしこちゃんか?あいつは友達が何人いるんだよ」
おじいさんはポケットからぐしゃぐしゃのタバコケースを取り出しました。
「まあ、あいつの話を信用するなよ。あいつおかしいからな」
そう言っておじいさんは笑いました。開いた口からやにで汚れた歯が見えました。
「ところで兄ちゃん。一本くんねーか?」
おじいさんはそう言いながらて私のタバコに手を伸ばしてきました。私はここでの貸し借りは禁止されていますからと一言だけ言って、喫煙室から出ました。見なくても、おじいさんの顔が見る見る不機嫌になっていくのがわかりました。

窓の外を見ると雲ひとつ無い景色が広がっていました。今日は何月だろうか、そんな疑問はすぐに消えました。ここでは特に意味はありませんでしたから。

とりあえず今日はこの辺で。それではまた。
2009.12.31 Thu l 妄言 l コメント (0) トラックバック (0) l top
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