FC2ブログ
10
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- -- l スポンサー広告 l top
昔から人の顔を見る癖があった。正確には顔を見て機嫌を伺っていた。大勢の人には気持ち悪がられ、殴られることもあった。

「見るな、気持ち悪い」

言葉には出てなくても、言われている気がした。殆どが自分の被害妄想だと思う。けど、実際に言われた経験が今でも心に残っている。



「その目がいいわ」

中には変わり者もいた。この変わり者の傾向としては、精神的に不安定、同性愛の気がある女性がほとんどだった。

「貴方の魅力はその中途半端なところよ」

誉められた気はしなかった。男としては頼りなく、女としては可愛げが無い。下種な根底を薄い膜で幾層にも覆っても、結局は透けてしまう。いわく、化学物質で汚染されたドブ川らしい。キラキラと光っているのに有毒。でもその環境を好む魚もいる。

「ねえ、あれやって」

そう言われて、自分の右手の人差指と中指をくっつけ、それに舌を這わせながら上目使いで相手の顔を覗き込んだ。唾液をわざと多く含ませてそれなりの音を出すと、相手は満足そうだった。

「もう行こうよ」

この変態が…心の中でそう毒づきながら、居酒屋を出て、河川沿いのホテルまでタクシーを拾った。いつまでこんなことを続けるんだろうか、ほんの少しの罪悪感、それより少ない不安感が含まれた私の心は腐っているな。そう思いながらふとタクシーから外の景色を見てみるとドブ川が広がっていて、少しだけ泣きたくなった。
2010.07.12 Mon l とある~ l コメント (0) トラックバック (0) l top

コメント

 

コメントの投稿












 

トラックバック

トラックバック URL
http://uodiru.blog115.fc2.com/tb.php/228-666fb63e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。